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脊髄くも膜憩室のルトちゃん

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患者紹介

柴犬、7ヵ月、雄
2週間前から両後肢のふらつき、尿・便失禁が見られ、他院でのMRI検査により脊髄くも膜憩室と診断され、手術の相談のため当院に来院しました。

診断

神経学的検査では、両後肢の不全麻痺および運動失調を示し、両後肢の姿勢反応は消失、膝蓋腱反射と屈曲反射は正常でした。両前肢の神経学的異常はありませんでした。脊椎痛は認められませんでした。胸腰部脊髄障害の神経学的グレード2–重度と評価しました。

はなちゃんの記事で説明したように、当院では脊髄の動的圧迫がくも膜憩室発症・再発の一因になっていると考え、くも膜憩室を疑う症例では脊髄造影検査および脊髄造影ストレス検査を実施しています。

  • 脊髄造影検査
  • 白く造影されたくも膜憩室の大きさと形が脊椎の動きに伴い変化している

治療

従来の治療法である片側椎弓切除術、くも膜憩室の硬膜切開および造袋術に加え、椎体固定術を実施しました。

術後5日目頃より徐々に自力歩行をするようになり、術後11日目の退院時には胸腰部脊髄障害の神経学的グレード2–中等度まで回復しました。

術後経過

術後約2ヵ月のルトちゃんは、ごく軽度のふらつきは認められますが、日常生活に支障はなく元気に過ごしています。

術後7ヵ月のルトちゃんの様子です。ふらつきもなく、元気いっぱいです。

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